子どもに教えたくなる!科学技術館
第11話「〇〇車のご先祖(せんぞ)さま!?」

2017年5月1日号

2階 自転車広場「自転車技術史の変遷」

ナゾの乗り物発見!

 科学技術館には、思わず子どもに教えたくなるような展示がいっぱい! そこで、科学技術館スタッフが、おすすめの展示アイテムやその楽しみ方を毎回1つずつ紹介します!
「おもしろそう!」「行ったことはあるけどそんなのあったっけ?」と思った方、たくさんの発見と楽しさがある科学技術館にぜひおこしください。


どんどん進化して、こうなった!

 ジャジャーン! いきなりですが、↑これ、なーんだ?
 展示室(てんじしつ)の入り口にたたずむ“ナゾのライオン”。遊園地にある乗りものにもにてるけど、いったいなんだろう!? よーく見ると、せなかのところに「くら」があって、足のところに2つの車輪(しゃりん)がついてるね。ということは……乗りものだ!
 でも、このライオン二輪車、本当に道を走るのはちょっとたいへんそう。というのも、じつはこれ、ずっとむかしにスケッチをもとに作られた空想の乗りものなんだ。当時は乗りものといえば馬や馬車くらいしかなかった時代、人々は「自分の力で自由に走れる乗りものがほしい!」と夢(ゆめ)見て、こういうものを作ったのかもしれないね。……あ! ライオンくんのとなりに、またしてもフシギな乗りものがあるぞ。進んでみよう。

ドライジーネ/ミショー

 この乗りものの名前は「ドライジーネ」! 今から200年ほど前に、ドイツのドライス男爵(だんしゃく)が考案(こうあん)した乗りもので、“自転車の先祖(せんぞ)”っていわれているよ。ライオンの顔のかわりに、ちゃんとハンドルがついてるから、方向だって変(か)えられる。でも、まだペダルはないから、当時はみんな地面を足でけって走っていたんだって。うーん、たいへんだ!
 でもご安心を。まだまだ自転車は進化をとげていくぞ。お次に登場するのは、前輪(ぜんりん)にペダルがついた「ミショー」型(がた)や、その前輪をうんと大きくしてスピードが出るようにした「オーディナリー」型。どんどんべんりになっていくね!


セーフティは、今の自転車と同じかたち!

 ここからさらに改良(かいりょう)が進み、120年ほど前に、ほぼ形が完成(かんせい)したのが、この「セーフティ」自転車だ。その特徴(とくちょう)は……「チェーン」だ!
 ペダルと車輪をチェーンでつなげることで、こぐ力を車輪に伝(つた)えやすくなった。そして、前輪と後輪も同じ大きさにもどったから、ぐっと「セーフティ」(「安全」という意味だよ)になったんだ。見てのとおり、この形が今の自転車のもとになっているよ。
 自転車は、とってもエコで健康(けんこう)によくて、とにかく楽しい乗りもの! 晴れて気持ちのいい日には、みんなも風を切ってペダルをこいでみよう。ゴー!ゴー!サイクリング! 〈のり〉


出展団体からのメッセージ

 毎年5月は「自転車月間」、また5月5日は「自転車の日」です。「自転車月間」が設定されたのは1981年ですが、昨年2016年12月16日付で公布された「自転車活用推進法」により、「5月5日は自転車の日」「5月は自転車月間」と正式に法律で定められました。
 自転車は、みなさんの日常生活に密着した乗り物です。また、健康的なスポーツ、レジャー、レクリエーションなどの用具としても活用されています。自転車月間をきっかけに、また「自転車広場」展示室で、自転車をより身近に感じてください。


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2階 自転車広場

一般財団法人 日本自転車普及協会

自転車文化センター


※このコーナーの内容は掲載当時のものです。
 (展示、出展団体・企業名等)