子どもに教えたくなる!科学技術館
第20話「ムムム、ヘヘヘ、ムヘムヘヘ……」
2018年6月15日号号
3階 モールス信号体験装置 (現在は展示しておりません)
科学技術館には、思わず子どもに教えたくなるような展示がいっぱい! そこで、科学技術館スタッフが、おすすめの展示アイテムやその楽しみ方を毎回1つずつ紹介します!
「おもしろそう!」「行ったことはあるけどそんなのあったっけ?」と思った方、たくさんの発見と楽しさがある科学技術館にぜひおこしください。
「ムムム ヘへヘ ムヘムヘヘ……」
ふしぎな展示物(てんじぶつ)があるぞ。モニターがあって、つくえのようになっているからパソコンなのかな? おや? モニターの前にボタンのようなものがあるよ。おしてみたら音がする! たくさんおしてみよう!!
なんだこれは!? モニターに「ム」と「ヘ」がならんだぞ!? どうなっているんだろう。よし、次は連打(れんだ)だ! あれ? こんどは「ラララ」「ヌラララ」だ……。この展示物はいったい何を伝(つた)えようとしているのか、いよいよわからなくなってきたぞ。
こまったときは、説明(せつめい)をきちんと読もう。これは「モールス信号(しんごう) 体験装置(たいけんそうち)」っていう名前なんだって。ヒラガナ一覧(いちらん)には、「ア――・――」「イ・―」って書いてあるよ。「・」と「―」の組み合わせで文字を作れるんだね。
モニターにたくさん出ていた「ム」と「ヘ」は「―」と「・」だけであらわすことができるから、かんたんに作れるんだね! よし、わたしの名前を作るには「―・・―」とおせば……あれ? 一文字のつもりが「ムヘヘム」って四文字になっちゃった! 練習してじょうずになりたいな。
モニターの下半分では、右から左へと画面が流れているよ。自分がどのように「―」や「・」をおしたかをかくにんすることができるんだね。
調べてみたら、モールス信号は、アマチュア無線(むせん)であいてと文字をやりとりするときに今でも使われているんだって。さらに、ヒラガナだけではなくて、英語(えいご)やアラビア語などでもヒラガナと同じように「―」と「・」で文字をあらわせるんだって。
練習したら、だんだん思った通りの文字を作れるようになってきたよ。なんだか暗号みたいだね。 〈まりこ〉
科学技術館では、開館50周年を記念して、2015年に夏休み特別展「くらしの技術⇔50年『大・展望展』」を開催しました。これまでも、これからも社会で大切かつ身近な産業技術から抽出したテーマの一つが「コミュニケーション」。「情報と通信」を担う初期の技術の一例としてモールス信号の送受信装置をとりあげました。
モールス符号は、「トン」こと短点(・)と「ツー」こと長点(―)の組み合わせで、カナやアルファベット・数字・記号を表現します。現在のデジタル技術が「0」と「1」の組み合わせでいろいろなことを実現していることとも比較しながら、「大・展望展」で人気だったトンツーを試してみてください。
※このコーナーの内容は掲載当時のものです。
(展示、出展団体・企業名等)